イギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピアによる戯曲
「ロミオとジュリエット」。
初演は1595年前後と言われています。
シェイクスピアの全戯曲のほとんどは、既存の物語やエピソード、
詩などをベースに翻案したもので、「ロミオとジュリエット」も、
例外ではありません。
@ナポリにて1476年に出版されたマスチオ・サレルニターノ
作の小説集
Aルイジ・ダ・ポルトが書いた物語(1530年、イタリア)
Bマッテオ・バンデルロの『小説集』(1554年、イタリア)を、
1559年にピエール・ブアトーがフランス語訳し、出版します。
ブアトーの訳本は、数年後には英訳されました。
直接種本としたのは、アーサー・ブルックの物語詩『ロミウスと
ジュリエットの悲しい物語』(1562年、イギリス)と
ウィリアム・ペインターの散文『ロミオとジュリエッタ』
(1567年、イギリス)と言われていますが、その背後には
100年もの間語り継がれていた物語があったわけです。
「ロミオとジュリエット」1968年イタリア映画。
数知れないほど映像化されてきた「ロミオとジュリエット」を、
オペラなどの演出も手がけてきたフランコ・ゼッフィレッリ
監督が、原作の年齢に近いレナード・ホワイティング(16才)と
オリヴィア・ハッセー(15才)の二人の新人を起用して、
斬新で現代的なスタイルで映画化しました。
この二人は、この映画で1968年第26回ゴールデン・グローブ賞の
「有望若手男優賞、女優賞」を獲得しています。
ヨーロッパではゼッフィレッリのような豪奢かつ大胆で豊かな
スケール感を持って、人々に充足感を与える演出スペクタクルを
「オピュレンスopulence」と呼んで称えます。
それは名匠ルキノ・ヴィスコンティからの継承でもあります。
この映画でもアカデミー賞の撮影賞、衣裳デザイン賞を受賞
しています。
レナード・ホワイティング(Leonard Whiting )は
1950年6月30日ロンドン生まれ。
「ロミオとジュリエット」のあと、
1969年「ピサロ将軍」、1970年「昨日にさよなら」、
1973年「真説フランケンシュタイン/北極に消えた怪奇人間!」
などに出演しています。
オリビア・ハッセー(OLIVIA HUSSEY)は、
1951年4月17日ブエノスアイレス生まれで、父と二歳で死別し、
母国イギリスへ移ります。
イタリア・コンティ演劇学校で学び、舞台「ミス・ブロディの
青春」で注目され、1965年「湖愁」で映画デビューします。
そして「ロミオとジュリエット」のオーディションに挑戦し、
500人の候補者の中から選ばれて、ジュリエット役を獲得。
史上最年少でのジュリエット役を演じ、人気女優になります。
その後多くの映画に出演しますが、ジュリエットをしのぐ
役はありませんでした。
また、深作欣二の「復活の日」(1980)では日本映画に出演
しています。
最近では「マザー・テレサ」(2005)でマザー・テレサの36歳から
亡くなるまでの50年間の半生を役を演じています。
プロモーションのために来日もしています。
1971年にディーン・マーティンの息子のディーン・ポール・
マーティンと結婚しましたが1978年に離婚、長男は現在俳優に
なっています。
1980年には歌手の布施明と結婚をし、男児をもうけましたが
1989年に離婚しています。
その後、アメリカ人ミュージシャンのデヴィッド・アイズレー
と結婚。
現在はそのとき生まれた長女とロス・アンジェルスで暮らして
います。
では、キャプレット家の祝宴(ロミオとジュリエットの出会い)
の場面から、聞く人すべてをとりこにしてしまう歌の魅力を
感じさせる「What Is A Youth?(若さとは?)」。
グレン・ウェストンの歌でどうぞ。
ニーノ・ロータが作るメロディーは本当に絶品!
ロミオとジュリエット効果(Romeo and Juliet effect)という
心理学用語があります。
特定の目的を持っている場合、障害があった方が逆にその障害を
乗り越えて目的を達成しようとする気持ちが高まる心理現象の事です。
親に反対されると、より燃え上がってしまう二人の愛! ...