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「ラ・メール」シャルル・トレネ La Mer

シャルル・トレネはフランスの歌手、作曲家、作詞家、俳優です。


1913年南仏ニースのスペイン寄りナルボンヌに生まれ、
15歳で初めての詩集を発表します。

やがてJohnny Hessとヴォーカル・デュオを組んでいましたが、
第2 次世界大戦後はソロとして活動をしていくようになりました。

1938年、トゥールーズとパリの間の急行列車の中で、昔を
思い出しながら、ある歌を書きます。
しかし、間もなく戦争が起こり、そのままになってしまい、
1942年に一度歌ったのですが売れずに、戦後の1945年、
アレンジをジャズ風に変えて歌ったところ大ヒットとなりました。
それが「ラ・メール」です。


第2次世界大戦中には、ナチス・ドイツとの関わりを疑われた
こともありましたが、彼のエンターテイナーとしての人気は
不動でした。

1975年に引退表明をした後も度々その姿を舞台で披露して
いましたが、2001年2月19日に脳卒中で逝去。享年87歳でした。


フランスでは偉大な芸術家や他の分野の傑出した人物の死去の
知らせが伝えられると、大統領府エリゼ宮、首相、文化相らは
声明や談話を発表するのが慣例となっているそうで、
短い哀惜の辞にも、どれだけ知性と教養とセンスあふれる言葉を
盛り込むことが出来るかも、国家元首の重要条件とのこと。

国民的歌手シャルル・トレネの時は「ラ・メールなど約一千曲を
残した言葉の魔術師」と呼ばれました。


代表作としての「LA MER(海)」、「BOUM ! 」、そして1951年の
作品「詩人の魂」といった軽やかなシャンソンにジャズを
取り入れて、自分自身が楽しみながら歌い続けたスタイルは、
明るい太陽のような楽しさを持っていました。


1999年で満86歳を迎えたシャルル・トレネが、3日間だけ、
クラシック音楽の殿堂サル・プレイエル(キース・ジャレット
の傑作「パリ・コンサート」もここでした)で行った
リサイタルのライヴ・アルバムが発売されています。
『Chrles Trenet a Pleyel』 CHARLES TRENET

太陽みたいな明るさは健在で、観客との楽しいやり取りを
交えながらコンサートをすすめています。

このアルバムでも、「我が若かりし頃」を終えて、「いまのは
山の歌でしたから今度は...」とトレネが言い出した途端に、
誰かがすかさず声をかけています。「ラ・メール!」。
「そのとおり!」と受けて、海を讃えた名作を歌っています。



  「ラ・メール」LA MER

   ラ・メール 夏の日  波は踊る

   銀色に光る海は雨の下でさまざまに色を変える

   ラ・メール      優しい海のいぶき
   愛の歌はラ・メール  我が胸に流れる  ♪

MERは海のことですが、恋人や母親への思いも表されている
ようです。




映画「ファインディング・ニモ」のテーマ曲「Beyond The See」
としても使われるなど、多くの方に聞きなじみのある曲ですね。